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特別展 海 国立科学博物館 生命のみなもとである海を知り、未来を考えるいい機会 夏休みの課題に最適

こんにちは!どこでもGOです!

東京・上野にある 国立科学博物館で特別展 海 が始まりました。夏休みシーズンとも重なり、小中学生の方々で混んでいました。色々学べる展示がいっぱいありました。全体的には海洋汚染に関する展示が多かったですね。改めてSDGsに目覚めました。

ご紹介しますね。

 

目 次

 

1. 国立科学博物館

東京・上野には美術館・博物館がたくさん集まっていますが、これが国立科学博物館です。短くして、科博と言っています。日本館である本館と別棟の地球館があります。1926年開館なので、100年弱経っています。

向かって左には実物大のシロナガスクジラこちらは設置されてから30年経っています。以前はザトウクジラでした。

 

2. 特別展 海

海は地球上のあらゆる生命のみなもとです。さまざまな生態系を育んできました。私たち人類は海からのめぐみを享受する事で繁栄してきました。でも最近では人間活動に伴う環境への影響がいろいろと出てきています。この展覧会では、多様な生物や人と海の関わりを知る事で、海との未来を考えていくいい機会となります。

全体は4章の構成になっています。

  • 第1章 生命と海のはじまり
  • 第2章 海と生き物のつながり
  • 第3章 膿からのみぐみ
  • 第4章 海との共存、そして未来へ

 

第1章 生命と海のはじまり

水の起源は何? なぜ、海が存在するの? など、地球史における海の誕生と進化、そこで育まれた初期生命の生態系が紹介されています。はやぶさ2小惑星リュウグウから持ち帰った砂からいろいろ新事実がわかってきました。砂の展示がありましたが、撮影禁止です。

原始的な地球生命が生息した約35億年前の深海では、アルカリ性の熱水が、低温で酸性の海水に向かって噴出していたので、白い鉱物が沈殿してチムニーができていたはずです。

生命の誕生からの進化が表示されています。

 

第2章 海と生き物のつながり

ここでは、日本列島周辺のプレート運動や火山活動、黒潮などの海流が生み出す海洋循環がどれほど生物の多様性に影響したかが紹介されています。

ナガスクジラの上半身の標本が出現していました。

黒潮にいる魚類たちです。多種多様な生物たちがいる事を示しています。日本周辺の海に生息する生物の種数は、世界最大級です。それは世界最大規模の海流である黒潮が流れているからです。

この展覧会で唯一の大型スクリーンでの展示です。興味深い内容が詰まっています。

 

第3章 海からのめぐみ

現代では海からのめぐみは大きなものになっています。海運物流でさまざまな物を運搬しています。さらに人類は北極海の活用や深海にある鉱物資源の回収まで始めています。

3万年前の航海の徹底再現プロジェクトで実際に当時使用された丸木舟の復元です。やけに長細いですね。縄文時代よりヒトは、漁猟活動などで海と深くかかわってきたと言う展示です。

水面下4500mまで潜水する事の出来る無人探査機「ハイパードルフィン」の実機の展示です。海洋調査に大活躍です。この調査船は母船とケーブルでつながっているので、電力、データ伝送の問題はありません。リアルタイムでの観測ができます。逆に、4500mよりも深く潜れる調査船を製作しようとすると、ケーブル類自身の重量が問題となって、簡単には行かない課題があります。

氷の下を調査する自律型無人探査機、海氷下ドローン「COMAI」(こまい)です。長さ2.2m、高さ60cm、幅1mぐらいです。北極の海氷下を自律的に航走し、観測・試料採取ができます。氷下魚(こまい)って、北海道では有名な干物ですごくおいしいですよ。COMAIの略が後付けなのか?氷下魚が先に決まったのか?

北極域研究船です。北極域は、地球温暖化による海氷減少、気温上昇など急激な環境変化が進んでいる場所です。現在開発中で、砕氷機能と世界レベルの観測機能が備わっています。就航は2026年度の予定です。

 

第4章 海との共存、そして未来へ

人類は今まで様々な海からのめぐみを享受してきました。近年では人間活動により多くの環境に変化をきたしています。水産資源の枯渇、海洋酸性化、貧酸素化、海洋(マイクロ)プラスチック汚染などなどです。

展示は、海洋酸性化により、炭酸カルシウムの殻が溶けてしまう事のある翼足類(よくそくるい)の殻です。

捕獲されたクジラの胃からは大量のプラスチックが発見されたのは非常にショックです。

現在我々は1年間に約4憶トンのプラスチックを生産しており、約1,000万トンのプラスチックが海へ流出しています。プラスチックはほとんど分解されないので、消えないゴミとして海に蓄積されます。世界で最も深いマリアナ海溝からも、北極海南極海からもプラスチックゴミは見つかっています。

また、エレン・マッカーサー財団が世界経済フォーラムと協力し作成した調査書によると、2050年までに、海中のプラスチックの重量は魚の重量を超えると予測されているそうです。すぐにでも動かなくてはなりません。

IUCNのレッドリストには42,100種以上が登録されています。日本のレッドリストも更新されており、2017年には56種が追加されました。今まで海洋生物は一部しか調査されてきていなかったのです。

写真はレッドリストに載っているジュゴンです。日本では沖縄近海にわずか数個体だけ生息しています。

 

3. 音声ガイド

桝 太一(ますたいち)さんがナビゲーターをされています。現在はフリーですが、日テレ時代にZIP!で朝の顔として定着していたので親しみを感じます。音声ガイドには珍しい、途中でクイズがあるので、よりよくなった感じです。

 

4. まとめ

地球の面積の約7割は海です。海中、深海を含めると9割以上になります。非常に身近にあるのに、ある意味、宇宙よりも知らない事が多いのです。その海に助けられながら繁栄してきた人類が、その海を犯そうとしているのです。これからも共存していくにはすぐにでも行動を起こさなければなりません。いろいろ考えさせられる、展覧会でした。

ちょうど夏休み期間となっており、夏休みの自由課題のネタとして十分に利用できると思います。私は開催初日の土曜日朝10時に行ったのですが、小中学生を伴ったご家族連れが多く来ていました。会場はかなり混雑しています。9月の平日はかなりすくと思いますが、当面混雑は続きそうですね。

全体的に環境問題に訴えかける展示が多かったです。

捕獲されたクジラの胃には大量のプラスチックごみが溜まっていたり、マイクロプラスチック(5mm以下のプラスチック)を食べた小さい魚が、食物連鎖によりより多くプラスチックが溜まった魚を最終的には人間が食べている実態であるとか、すぐに手をうたないと大問題に発展する展示などです。

内容は濃いのですが、展示方法はいわゆる博物館の典型的な見せ方です。パネル展示が多く、実物例、模型をまぜるという展示です。大型スクリーンでの映像は1ヶ所のみ、小さい映像は数ヵ所ありました。もう少し見せ方に工夫をこらす必要がありそうです。

 

最初は余裕だったが、結局時間がなくなった!

夏休みの自由研究に困ったらここ

 

5. 基本情報

展示会名

特別展 海 ―生命のみなもとー

開催場所

国立科学博物館

住 所

東京都台東区上野公園 7-20

アクセス

JR上野駅公園口から徒歩5分

公園口からまっすぐに行くと上野動物園に行きますが、途中で右に曲がりすぐ

電 話

  • 050-5541-8600  ハローダイヤル
  • 03-5814-9898  FAX

会 期

2023/07/15(土)~10/09(月祝)

開館時間

9:00~17:00 最終入場は30分前まで

休館日

2023/09/04(月),11(月),19(火),25(月)

チケット料金

下記は特別展の料金です。これで、常設展も見る事ができます。

  • 一般・大学生   ¥2,000
  • 小・中・高校生  ¥600

駐車場

なし

所要時間

約2時間