どこでもGO

こんな所に行ってみました、あんな所に行ってみました的な情報発信をしていきますね。基本、実際に行った所のみブログします。現場でないとわからないような情報発信を心掛けます。

送水口博物館 古い送水口がいっぱい レア物多数 歴史を感じる

こんにちは!どこでもGOです!

送水口博物館に行って来ました。比較的高いビルには設置が義務付けられているので、見てはいると思います。いろいろな形、素材、色、口数などたくさんあります。送水口の表記も時代によって変わってきているので、おもしろいですよ。自分の好みを見つけてね!

ご紹介しますね。



目 次

 

1. 送水口博物館とは

平成27年(2015年)11月に東京・新橋に開館した、送水口を集めた博物館です。消防器具を製造販売する村上製作所が設立しました。なので、2022年11月で7周年!ソーハクと呼んでいます。

建物が老朽化し建て替えられる度に次々と消えていくオールド送水口を救うべく、ここに集め保存しています。送水口は地上7階建て以上の建物などには設置が義務付けられています。これらを見ると、その歴史変遷から近代消防の歩みがわかります。

 

2. そもそも、送水口って何?

送水口(そうすいこう)とは、消火用水を放水口(火事現場に近い所)まで送水するための消防用設備です。消火活動の際は送水口単体で機能することはありません。

高層建築物(7階以上 又は 5階以上で延べ面積6,000㎡以上)の上階や地下階などで火災が発生した際、はしご車等でも消火活動ができないことを想定しています。

火事が上層階であったとしても、消防隊員が建物内に進入できれば、ポンプ車が地上(送水口)から消火用水を送水し、連結送水管を伝わり、火災現場近く(放水口)から消火活動が可能になる訳です。

送水口を使用する場合、まずポンプ車と送水口をホースでつなぎ、次に放水口とホースをつなぎ、最後に加圧給水することで消火活動が始められます。

 

3. どこにあるんだ?ビルの屋上!

住所を元に、新橋駅から西(虎ノ門方面)へてくてく300m、徒歩で5分ほどです。

その地点に着いても、それらしき看板はない・・・

近くのビルを1つ1つ丹念に見て周ると・・・あった!

ひっそりとあるではないか!

4階の村上製作所が運営している博物館なので、5階、つまり屋上にあった!

 

4. 屋上には送水口があった

エレベーターはないので、階段でコツコツと上がっていくのである。

自立型(スタンド型)の送水口が並んでいます。自立型は、ビルから道路まで少しスペースがある時によく採用されます。町で一番よく見かけるのは、壁埋設型です。

左には古いタイプ、右には現在使用されているタイプ。ピカピカで、よく手入れされています。現在送水口は、いろいろなメーカーが製作しています。

 

5. 館内は送水口だらけ

館内にはいって、これが全体です。右から左へ古い順に並んでいます。

ビルが取り壊される時に救助できた送水口は、設置されていた時の状況(壁)を極力正確に再現するようにしています。

 

●送水口の歴史・変遷

古い方から番号順にならんでいます。

1. SIAMESE CONNECTION

昭和15年(1940年)頃の古いタイプの送水口は英語表記になっています。当初は輸入品でしたが、国産化されていきました。SIAMESEとは、2口・双頭と言う意味で、双口を示しています。

 

2. サイヤミーズコネクション

昭和27年(1952年)に衛生工業協会規格(火災予防条例)が示され、単口、双口の設置基準が明確化され、カタカナ表記になりました。送水口に名称が変わるまでの10年間ぐらいの短い期間なので、貴重です。

 

3. 送水口

昭和36年(1961年)に消防法施行令が発令され、送水口は双口となり漢字で「送水口」と表記になりました。以降、単口送水口はなくなります。

 

右端の①とある送水口が当館で最古の銘品です。これは英語で、STANDPIPEと記載されています。

壁の扇風機の左横には、ガーゴイルが展示されています。

ガーゴイルとは、雨樋の機能をもつ、怪物などをかたどった彫刻です。主として西洋建築の屋根に設置され、雨樋から流れてくる水の排出口としての機能を持ちます。ヨーロッパへ旅行した時、多くの古い大きな建物にはついていました。

左上にある⑭は、当館の収蔵品第一号の品です。当館を運営している村上製作所製で1958年に旧日本電池ビルに設置されていた、カタカナ表記の貴重なものです。

送水口に屋号が付いているのは、この写真の服部送水口山形屋送水口ぐらいしかないそうです。非常に希少価値のあるものです。

 

●ジョイント

昔からあるのはねじ式で、送水口とホースをねじで結合させます。

現代のは差し込み式で、ワンタッチで簡単に結合、解放ができるタイプです。写真はねじ式の送水口に差し込み式への変換器(青色)を取り付けた状態です。

この他にも微妙にタイプが違うものがあります。消防車は現場の送水口にホースが合わせられるように、ジョイントを複数用意してあります。

 

6. 館長の村上さん

この方が館長の村上善一さんです。丁寧にいろいろ教えていただきました。気さくで非常に陽気な方ですが、送水口にかける情熱は並み大抵ないものを感じました。

今後はもっと収集して、さらに大きな博物館にして行きたいと語って見えました。また、テレビ局からその時代のドラマのシーンに送水口が使用できないか話が進んでいるそうです。活躍できる場を広げて行きたいと意欲満々でした。

 

7. まとめ

送水口博物館に伺い、いろいろ送水口に関して知る事で、世界が変わりました。街中を歩く時は、ビルの壁面、入口近く、通用口近くと、常に送水口がどこにあるのか探すようになってしまいました。そして見つけると、近寄り、どのような形なのか確認するようになったのです。

英語表記、カタカナ表記などのレア物を見つけた時は感動!中には、石やゴミが詰められてある物があり、悲しくなります。

あなたも目を凝らせばいろいろ貴重な送水口を見つけられるかもしれません。

発見の旅へどこでもGO!

 

8. 基本情報

施設名称

送水口博物館

住 所

東京都港区新橋2-11-1

株式会社村上製作所内

ビルの屋上(5F)

アクセス

JR山手線・東京メトロ 新橋駅西口から虎ノ門方面に300m、徒歩5分

都営三田線内幸町駅から200m、徒歩2分

電 話

村上製作所より内線連絡

03-3591-2188

入館料

無料

開館日

基本、木曜日、隔週土曜日

たまに火曜日

日にち別はHPに載っています

営業時間

14:00~19:00

設 立

2015年11月