こんにちは!どこでもGOです!
横浜美術館を中心に周辺の数ヵ所で開催されている、第8回横浜トリエンナーレを見てきました。今回のテーマは、「Wild Grass:Our Lives」日本語では、「野草:いま、ここで生きている」です。どのような困難な状況においても野草のようにたくましく生きる庶民の人生を描いています。20世紀初頭からの重要な歴史的な出来事を芸術の観点から考察・描写しています。
ご紹介しますね。
目 次
1. トリエンナーレとは
トリエンナーレは、主に芸術と文化の国際的な展示会であり、概ね3年毎に開催される事からその名がついています。このイベントは、新しいアート作品の展示だけではなく、様々な文化的背景を持つアーティスト達が一堂に会し、互いに影響を与え合う場としても意味があります。多岐に渡るテーマやメディアを通じて、現代の重要な社会的・政治的な問題に対処し、訪れる人々に深い洞察や新たな視点を提供することを目指しています。
今回は30以上の国や地域からのアーティストやグループの93組の作品が展示されています。20世紀初頭からの重要な歴史的な出来事を芸術の観点から考察・描写しています。
開催場所は下記の5ヶ所となっています。
- 横浜美術館 メイン会場
- 旧第一銀行横浜支店
- BankART KAIKO
- クイーンズスクエア横浜(2F)
- 元町・中華街駅連絡通路
上記以外でも横浜地区のいろいろな場所でミニセミナー、ワークショップなどが開催されます。
2. 横浜美術館
美術館の側面の壁には大きなグラフィティが描かれていました。
SIDE CORE 「big letters, small things」
2024年
当日券のチケットは正面入口をはいらずに、正面入口の左の扉から中に入った所にあります。
期間中は通常期間のミュージアムショップは閉じられています。代わりにこのチケット売場横に設けられ、オリジナルグッズが販売されています。
3. グランド・ギャラリー(無料エリア)の作品
館内にはいると、「ウーウー」「ドゥドゥドゥ」という人がうなっているような大きな音が聞こえてきます。何かと思って音の方向をみると大きなモニターいっぱいに人が映し出され、うなり声を発しています。ウクライナの人々のうなりです。銃声や警報音を声でまねています。日々攻撃にさらされ命の危険に直面している方々は、戦時下で生きるすべとして、兵器の音を聞き分ける為に覚えたといいます。
ウクライナ オープングループ作
繰り返してください
横浜美術館は改修で約3年間閉館していました。改修後は天窓から陽光が降り注ぐようになったので、明るくきれいになりました。
天井近くには赤い布がビラビラしたオブジェが吊り下がっています。
サンドラ・ムジンガ作
そして、私の体はあなたのすべてを抱きかかえた
2024年
奇妙な赤い浮遊物とそれが地上に降り立ちました。
何に見えますか?
恐竜のようです。
鉄を用いた骨組みに表面の皮膚をかぶせた生物です。
赤い布は私たちを包み、外の世界から守ってくれる衣服でしょうか。
血液をイメージしているのかもしれません。
ムジンガからのメッセージは下記です。 あなたは何を想像しますか?
もしも自分が太古の昔に生きる恐竜だったら?
もし遠い未来に、種の最後の個体として地球上に生きることになったら?
大きな身体なのに中身がからっぽなのはなぜ?
ムジンガの作品の手前にある連結したモニターを用いた白黒アニメーション作品です。
オズギュル・カー作
倒れた木
2023-2024年
表と裏で計8面のモニターが連結しています。映し出されているのは、枝が折れ、根っこが露出した巨木。周囲にはハエが飛んでいる音がうるさいです。メメント・モリという、西洋文化での「死を思え」を思わせるモチーフです。長年生き抜いてきたこの老木の、朽ち果て、息絶えつつあるその姿は、逆に「生」を強く感じます。
ピッパ・ガーナー作
ヒトの原型
2020年
ガーナーは現在、ロスアンゼルスにて活躍中です。よく見ると、胴体より肌の黒い男性と金髪の白人女性の顔が出ています。首の部分からはスマホを持った腕が出ています。足は3本で、女性足が2本、男性足が1本、互いに反対方向を向いています。胸からは手が出ていて赤ちゃんを抱いています。性別、人種、年齢といった既成概念にとらわれない多様性のあり方を表しています。
4. 有料エリアの作品
館内は一部作品を除きほとんどの場所で写真撮影が可能です。
你哥影視社(スー・ユーシェン/蘇育賢、リァオ・シウフイ/廖修慧、ティエン・ゾンユエン/田倧源)作
宿 舎
2023-24年
台湾の工場で働くベトナム人女性たちが、待遇改善を求め、寮に立てこもってストを始めました。でも、二段ベッドを中心にしてみんなで集まったり冗談を言い合ったりの日々はなんだか楽しそうで… ごく普通の日常の中に、よりよい暮らしを生み出す力が潜んでいます。
ラファエラ・クリスピーノ作
わたしたち
2021年
絹地の布に植物を転写しています
ルンギスワ・グンタ作
馴染みのないものへの回帰
2024年
南アフリカにおける植民地主義がもたらした、暴力、不平等、不均衡、人種隔離、領土の分断、強制移住、抑圧などを有刺鉄線が表しています。有刺鉄線には柔らかな布が巻き付けられています。背景の緑と共に、アフリカの茂った草木を思い起こさせます。
サローテ・タワレ作
いっしょならもっと良い
2024年
タワレはフィジーに生まれシドニーで主に活動しています。フィジーの織物の模様が描かれた壁、仮設の小屋、映像やオブジェなど、タワレの人生と記憶に基づくモチーフが使われています。固有の土地、文化に根ざす事の意味を問いかけているようです。
5. まとめ
今回は特に社会的、政治的な重い問題を取り上げていたので、深く考えさせられるものが多かったです。社会的貧困、政治的迫害、LGBTQ+、移民、警察とのぶつかり、裏切り、罠、落としいれられる、ゴミ、汚染などなど、社会の暗い面をどのように解釈していけばいいかの問いかけです。全体的にビデオによる動画での展示が非常に多かったです。
いわゆる通常の美術館展示にあるような、目玉作品は入口ホールにある赤い布の浮遊物ぐらいで、それ以外は場所的に小型の作品が多いです。
なので、このブログのように静止画のみでは伝えきれません。
近年各地で戦争が始まり、権威主義と民主主義間の争いが激しくなって来ています。世界的にも考え直す機運が盛り上がって来ています。
今一度、深く考える時期に来ています。
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6. 基本情報
イベント名
第8回横浜トリエンナーレ
開催期間
2024年3月15日(金)~6月9日(日)
開催時間
10:00~18:00
休館日
木曜日、年末年始
入場料(横浜美術館)
- 一般 ¥2,300
- 横浜市民 ¥2,100
- 学生(19才以上) ¥1,200
他には、(他開催場所との)セット券、フリーパスなどがあります
開催場所
- 横浜美術館
- 旧第一銀行横浜支店
- BankART KAIKO
- クイーンズスクエア横浜
- 元町・中華街駅連絡通路
住所
横浜市西区みなとみらい3-4-1
アクセス
連絡先
045-221-0300
駐車場
あり、157台(屋内107台、屋外50台)
最初の90分は¥500、以降30分毎に¥250
周辺にもいくつかあります
所要時間
約2時間