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吉見百穴 古墳時代の横穴式集合墳墓の跡 入ってみたくなる、中には・・・ ヒカリゴケも お土産は五家宝

こんにちは!どこでもGOです!

うわっ! これらの穴、穴、穴はなんだ!? 何かの生き物の巣? 昔の大砲の発射口? 巨大岩山ビンゴ?(笑)

実は古墳時代の横穴式集合墳墓の跡です。それにしても変わった形をしていますね。ご紹介します。

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目 次

 

1. 吉見百穴とは

よしみひゃくあな と読みます。埼玉県東松山市のすぐ東の吉見町にある、奇妙な穴がたくさんあいている岩山です。これは、古墳時代後期~終末期(6世紀~7世紀)に造られた横穴墓群です。

遺跡自体は江戸時代から知られていましたが、本格的な発掘が行われたのは明治になってからで、これほどの規模はめずらしいので、大正12年(1923年)3月7日に国の史跡に指定されています。

なんと、219基の穴が確認されています。吉見町を代表する史跡で、各横穴は、羨道(えんどう)・玄室の2部分からなります。羨道は外部と玄室をつなぐ通路部分をさします。玄室は広さが4~6㎡で棺座をもつものが多いです。1人用、2人用など広さも数種類あります。形は分類すると8つになります。

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今では古墳時代の横穴式集合墳墓の跡であると、だいたい説は固まっていますが、以前はあのアイヌの伝説に出てくるコロポックルの住居であり、後に墓穴としても利用されていたと、真剣に考えられていました。その説を発表した方は明治時代の帝大大学院生・坪井正五郎さんです。坪井正五郎さんは日本の人類学の創始者の一人で、明治20年吉見百穴の大規模発掘調査を行って、そう結論づけました。

コロポックルアイヌ民族の間で信じられていた不思議な力を持つ小人です。当時は冗談で話していたわけではありませんが、時代と共にその説はしだいに消えていきました。

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水木しげるロードにある、コロボックルのブロンズ像

 

2. それぞれの穴を見学、棺跡も

入場料は大人¥300です。

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見学ルートは正面から斜面に沿って設置してある階段を上りつつ、いくつかの墓穴内部を見学しながら、頂上へ行きます。急な階段を上るので、ヒールの高い靴は避けた方がいいです。

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奥にある室は玄室と呼ばれ、最も重要な場所で、棺が納められていました。棺を納める場所を棺座といいます。少し段差が付いていますね。羨道の直径は1mぐらいなので、かがまないと入れません。

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頂上からの眺めです。目を遠くにすると絶景です。帰りは、山側面に沿って下る一方通行になっています。

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3. 地下軍需工場跡、入れず・・・

吉見百穴の岩山の下には昭和20年(1945年、終戦の年)に飛行機を作るための大規模な軍需工場として利用されました。当時東京武蔵野市にあった中島飛行機が爆撃されて航空機の生産ができなくなった為、慌てて吉見百穴が工場候補地として選ばれたのでした。以前は内部を見学できましたが、現在は内部で崩落があり危険との事で閉鎖されています。

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内部は高さ3メートルの広々とした通路が碁盤の目のように走っています。先に述べたように吉見百穴は大正15年には国指定史跡となっています。それなのに、昭和20年に急ごしらえで軍需工場化し、飛行機を作ろうとした訳です。かなり日本の戦況が苦しく軍部は焦っていたのでしょう。結果として飛行機が作られる前に終戦を迎え、軍需工場は無用の長物となってしまいました。

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この地下軍需工場跡は、埼玉県のクールスポット100選になっています。確かに、内部から冷たい風が来ています。「日本一暑いまち」として知られる熊谷市がある県だからこそ意味のある場所ですね。

 

4. 国指定天然記念物ヒカリゴケ、うっすら光っていた

昭和3年(1928年)に国指定天然記念物に指定されました。吉見百穴のうち、2ヶ所の横穴に自生しています。緑色のコケが日中黄金色に輝くことからこの名がつけられました。ヒカリゴケは関東平野での自生は植物分布上きわめて貴重とされています。直接太陽光にあてるわけにはいかないので、進入できないように金網が張ってあり、小さい丸いのぞき窓から見ます。

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確かに、ちょっと光っている感じがします。外光を葉に付いている原糸体がレンズの役目をして、反射しているのです。

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参考に、軽井沢の鬼押出しに行った時にヒカリゴケがあったので写真を付けておきます。このような場所が園内に数ヵ所あります。

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詳細はこちらの記事

dokodemogo.jp

 

5. お土産には五家宝

ごかぼう 又は ごかほう。埼玉県の三大銘菓である有名な和菓子です。ちなみに、三大銘菓とは、草加市草加せんべい川越市の芋菓子、熊谷市五家宝です。おこし種を水飴などで固め棒状にした芯を、きな粉に水飴などを混ぜた皮で巻き付け、さらにきな粉を表面にまぶしたものです。

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味は5種類ありました。ここで熟練の職人が1本1本手作りしています。口の中で、餅がくちゃくちゃ、粘って食べます。おもしろい味です。

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www.youtube.com

 

 

6. まとめ

入場料も安いし、駐車料金もかかりません。小一時間ぐらい楽しめます。

まずは、岩山の墓穴を見ながら上までのぼります。頂上からの眺めは格別!ゆったりしながら、古墳時代の方とコミュニケーションをはかって下さい。その後、山を下り、軍需工場跡、ヒカリゴケを見て、お土産買って帰るパターンでしょうか。入口横に資料室があります。ビデオでの解説が流れているのでより深く、簡単に理解できます。

軍需工場跡は埼玉県のクールスポット100選に選ばれているので、夏の暑い時期に訪れてみるのもいいかもしれません。

 

7. 基本情報

施設名称

吉見百穴(よしみひゃくあな)

入場料

大人¥300、小学生¥200、小学生未満は無料

住 所

埼玉県比企郡吉見町北吉見327番地

電話番号

0493-54-4541

営業時間

8:30~17:00

休業日

なし、年中無休

所要時間

ゆっくり見て、1時間

駐車場

無料の大駐車場あり

ゲートなどの設備はなく、17時になったらスタッフの方が入口にロープをかけに来ます